再生紙使用(R)マークについてのQ&A

「Rマーク」の使用に関連して、多数の照会をいただいております。そこで、「Rマーク」を正しく理解して使用していただけるよう、現時点での環境省等の動向や情報をもとに、お尋ねの多い質問について、「Q&A」としてとりまとめました。

「Rマーク」について
Q1 なぜ、Rマークは定められたのですか?

Rマークは、平成7年(1995)6月、「3R活動推進フォーラム」の前身である「ごみ減量化推進国民会議」によって、再生紙の利用促進・普及啓発を図るため、古紙パルプ配合率が一目で判るように、シンボルマークとして定められたものです。

Rマークの使用にあたっては申請や届出は不要で、誰でも自由に無料で使用できます。しかし、当然のことですが、再生紙の利用促進・普及啓発を図るという趣旨に則り使用者を欺くことなく、紙パルプ配合率は正しい数字を表示しなければなりません。

Q2 Rマークはどのように使用するのですか?

用紙中の古紙パルプ配合率を製紙メーカーや用紙販売会社あるいは印刷会社などに確認の上、3R活動推進フォーラムのホームページからRマークのロゴと古紙パルプ配合率を示す数字をダウンロードして正しくお使い下さい。なお、表示する場所、大きさ、色等は自由です。

使用にあたっては、古紙パルプ配合率を示した数値・文言、説明とあわせて表示することになりますが、その詳細については、3R活動推進フォーラムのホームページ「 "Rマーク"の表示に際して」および「"Rマーク"の表示例」をご覧下さい。

Q3 使用に当たっては、申請とか届出などの手続きは必要ないのでしょうか?
必要ありません。誰でも自由に無料で使用できますが、古紙パルプ配合率は正しい数字を表示しなければなりません。
古紙パルプ配合率の表示について
Q4 古紙パルプ配合率を用紙販売会社や印刷会社に問い合わせても正確な数字を示せないと言われます。このように、古紙パルプ配合率の数字を明確に示せない場合にはどうしたらいいのですか?

Rのみの表示は認められていません。必ず、R100とかR70というように古紙パルプ配合率を正しく示す数字と組み合わせて表示しなければなりません。

用紙販売会社や印刷会社などに、用紙中の古紙パルプ配合率の正しい数字を確認して下さい。もし、確認できなければ、Rマーク表示は断念してください。

なお、古紙パルプ配合率を確認できずRマーク表示ができない場合、例えば「この用紙には古紙パルプが利用されています」と文章表示することは自由です。

Q5 例えば「古紙パルプ配合率50%以上」の場合、どう表示するのですか?
古紙パルプが50%以上配合されている場合、R50と表示してください。
配合率の異なる用紙をした出版物の場合
Q6 出版物の場合で、表紙に使う用紙と本文に使う用紙の古紙パルプ配合率が異なる場合、どのように表示すればようでしょうか?
出版物の場合、表紙の裏あるいは奥付などに、例えば「表紙R◯◯ 本文R◯◯」などと、表紙と本文の古紙パルプ配合率が異なることが明確に分かるように表示して下さい。
「Rマーク」が使用できない紙について
Q7 表紙にプラスチックフィルムを張り合わせた紙を使用していますが、Rマークは使えますか?
Rマークは、使用済みとなった時に製紙原料に適さないものには使用できません。他の素材を貼り合わせた複合素材の紙は製紙原料には適さないので、Rマークは使用できません。製紙原料に適さない紙には、下記のようなものがあります。
  • 防水加工された紙(紙コップ、紙皿、紙製のカップ麺容器、紙製のヨーグルト容器、油紙、ロウ紙など)
  • 裏カーボン紙、ノーカーボン紙(宅配便の複写伝票など)
  • 圧着はがき(親展はがき)
  • 粘着物の着いた封筒
  • 感熱紙(ファックス用紙、レシートなど)
  • 印画紙の写真、インクジェット写真プリント用紙、感光紙(青焼きコピー紙)
  • プラスチックフィルムやアルミ箔などを貼り合せた複合素材の紙
  • 金・銀などの金属が箔押しされた紙
  • 臭いのついた紙(石鹸の個別包装紙、紙製の洗剤容器、線香の紙箱など)
  • 捺染紙(昇華転写紙、主に絵柄などを布地に加熱してプリントする際に使われる紙)
  • 感熱発泡紙(主に点字関係で使用されるもので、熱を加えたところが盛り上がる紙)
  • 合成紙(プラスチックでつくられているので、正確には紙でない。)
  • その他製紙原料として不適なもの(アクアコート紙等)
説明文について
Q8 Rマークの下に「古紙パルプ配合率◯◯%使用」と表示し、さらに説明文も加えて表示しなければならないのでしょうか?

環境省(総合環境政策局環境経済課)では、平成20年1月、消費者にわかりやすい適切な環境情報の提供が促進されるよう、「環境表示ガイドライン」を策定し公表しています。

同ガイドラインによれば、製品やサービスを取り扱う事業者に対して、製品やサービスに表示されている認定マークの近辺に、運営団体名、制度の内容、選定理由等を含んだ説明文を記載するよう要請することとされています。

同ガイドラインでは、説明文の例として、「この製品は、古紙パルプ配合率100%の再生紙を使用しています。このマークは、3R活動推進フォーラムが定めた表示方法に則って自主的に表示しています。」と示されています。

Rマークの近くに説明文の表示スペースが取れない場合は、同じ製品の別な場所に説明文を表示してください。また、どうしても製品に表示できない場合には、たとえばホームページに説明文を掲載するなど工夫してください。

「Rマーク」の信頼性について
Q9 2008年に製紙メーカーが古紙パルプの配合率を偽っていたことが社会問題化しましたが、Rマークの表示は信頼してよいのでしょうか?

Rマークは、ごみ減量化を目指し、再生紙の利用促進・普及啓発を図るシンボルマークとして、平成7年6月に、3R活動推進フォーラムの前身であるごみ減量化推進国民会議が定めたものです。

そのため、古紙パルプ配合率の正しい数字を表示すれば、誰でも自由に無料でRマークを使えるようにしています。

事業者と使用者との信頼の上に成立しているのが、Rマークなのです。今後とも、古紙パルプ配合率の正しい数字の表示を通じ、国民や社会に長年にわたり定着してきたRマークへの信頼性が損われないよう、関係各位の一層の努力が求められています。

グリーン購入法と環境表示ラベルについて
Q10 グリーン購入法に基づく環境物品の調達に関し、コピー用紙の判断基準に総合評価指標が導入されると聞きましたが、Rマークは必要なくなるのでしょうか?

環境省では、「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」(グリーン購入法)に基づき、平成21年2月12日、「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」を改正し、コピー用紙については「各製紙会社の環境配慮への技術力及び消費者が求める品質に応じ、古紙に加え、間伐材等及び未利用材等の環境に配慮された原料についても利用可能とし、環境配慮の指標である「白色度」及び「坪量(紙の単位当りの重量)」を加えた」総合評価指標を導入し、平成21年4月1日から適用されます。具体的には、総合評価指標の計算式に、基本項目(古紙パルプ配合率、間伐材等利用割合など)及び加点項目(白色度と坪量)の各指標の数値を代入して算出し、一定以上のポイントを獲得した製品をグリーン購入法におけるコピー用紙の適合品とすることとなります。

詳細については、環境省総合環境政策局環境経済課グリーン購入担当(代表TEL:03-3581-3351)に直接お問合わせいただくか、環境省のホームページ「グリーン購入法」を参照してください。

以上のように、総合評価指標の算出には、古紙パルプ配合率が組み込まれています。従来どおり、再生紙の利用促進・普及啓発を図るためのシンボルマークとして、古紙パルプ配合率を正しく表示するRマークの役割は変わることはありません。

Q11 Rマークのほかに古紙に関連する環境表示ラベルはあるのですか?

Rマークの他に、エコマーク、グリーンマーク、牛乳パック再利用マークなどがあります。

その他、紙の分別回収を促進するためのマークとして、「資源の有効な利用の促進に関する法律」(資源有効利用促進法)に基づいて表示される「紙製容器包装の識別マーク」があります。

また、業界団体がリサイクル促進のために自主的に表示している「識別マーク」(紙パックマーク、段ボールリサイクルマーク)もあります。